運動とコミュニケーションの関係
幼児教育における運動は身体能力の向上だけでなくコミュニケーション能力の発達にも良い影響を及ぼします。
「公園で遊ぶ」ということを例に挙げると、運動が苦手な子と得意な子では、運動が得意な子どもの方が必然的に他の子どもたちと一緒に遊ぶシーンが多くなります。
その中でお互いに話をしたり距離感を取ったり順番を守るなどのルールを覚えます。
時には順番を抜かされることもあると思います。
その中で子ども同士で注意をしあったり、「まあいっか」と許すことを覚えたりと色々な感情を経験します。
「こんなことをしたら周りに注意される」「あんなことをされると人は嫌な気持ちになるんだ」など遊びの中で社会のルールを学びます。
また、運動が苦手な子も、周りの友だちと同じようなことができるようになりたいという
気持ちになれます。
上記で述べていることはどれも一人では経験できません。対人関係の中で育まれていくものなのです。
公園での遊びを例にとりましたが、団体生活の中で運動を多く取り入れることで
コミュニケーション能力は向上します。
なぜならば、走り回ったりするなど体を動かしているときの方が子どもはより多くのコミュニケーションをとるからです。
その一方で一般的に、少子化や都市化が進み集団で遊ぶ機会が減少し、体の動かし方を十分に会得できない子どもが増えてきました。最近の子どもの運動能力の低下は、筋力の低下よりも、体の動かし方を十分に身につけていないことが原因の一つであると指摘するスポーツ学の専門家もいます。
これを受け、文科省は3~6歳児を対象にした運動指針を策定し、次のように示しています。
基本的な体の動きを、立つ・転がるなど「体のバランスをとる動き」、走る・跳ぶなど「体を移動する動き」、持つ・運ぶなど「用具などを操作する動き」の3つに分け、3・4歳で「体のバランスをとる動き」と「体を移動する動き」を身につけさせ、4・5歳でさらに「用具などを操作する動き」を加え、5・6歳でこれら3つの動きを洗練化する。
同指針のポイントは、遊びを通して子どもが楽しく自発的に体を動かすことを重視していること、そして、幼稚園・保育所や家庭などで「毎日、合計60分以上」体を動かすという目安を示していることです。また、体を動かし子ども同士で遊ぶことは、コミュニケーション能力の育成にもつながる重要なことであると強調しています。
大阪体操クラブスポーツ学園では体操を通じ、心身ともに成長することを目的としています。
コロナ禍で育ってきた世代ゆえ、ご家庭でも楽しく体を動かす機会を是非意識的に増やしてみてくださいね。
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