子どもの視力低下が深刻化──現状とその対策

大阪体操クラブ高槻体操クラブスポーツ学園 コラム

日本国内において、子どもの視力が低下する傾向が年々強まっています。小学生の約4割、中学生では6割以上、高校生では7割近くが、裸眼視力1.0未満とされており、視力不良が子どもたちの学習環境や日常生活に影響を与えています。

 

増加する視力低下の傾向

過去数十年間で、子どもの視力低下は倍増しています。かつては小学生で視力が悪い子は少数派でしたが、現在ではクラスの半数近くが眼鏡をかけていることも珍しくありません。特に視力0.3未満という深刻な屈折異常を抱える子どもも増加しており、放置すれば将来的な生活の質の低下も懸念されます。

 

 

■ 視力悪化の背景にある生活習慣

視力低下の背景には、以下のような生活スタイルの変化が指摘されています。

  • スクリーン時間の増加
    スマートフォンやタブレット、パソコンを使う時間が長時間化しており、近距離での作業が目に過度な負担を与えています。
  • 屋外活動の減少
    外で過ごす時間が少ないと、太陽光を浴びる機会が減少し、近視の進行を抑える働きがあるとされるドーパミンの分泌も低下するという研究もあります。
  • 不十分な睡眠や生活リズムの乱れ
    夜遅くまでの電子機器使用や、生活の不規則さも眼の健康を損なう要因です。

 

■ 保護者と子どもの意識のズレ

視力が落ちていることを子ども自身が感じていても、保護者がそれに気づいていないケースも多くあります。「黒板が見えにくい」「人の顔がぼやける」など、生活に支障が出ているにもかかわらず、定期的な視力検査がされておらず、眼鏡の購入や適切なケアが先延ばしにされることもあります。

 

 

 

視力低下を防ぐためにできること

以下のような対策を日常的に取り入れることで、視力の悪化を抑えることが可能です。

1. 屋外活動の時間を意識的に確保する

1日2時間程度の屋外遊びが、近視の進行を抑えるとされており、特に成長期の子どもにとっては重要です。

 

2. スクリーン使用時の「20-20-20ルール」

20分ごとに20フィート(約6メートル)先を20秒見る、というルールで目の緊張を和らげる習慣をつけましょう。

 

3. 読書や勉強時の姿勢・距離を見直す

本やタブレットは目から30cm以上離して使用することが望ましく、姿勢にも注意する必要があります。

 

4. 適切な照明環境を整える

明るすぎず暗すぎない照明で、文字や画面が無理なく見える環境を整えることが、目の負担軽減につながります。

 

5. 十分な睡眠と休息を取る

目の回復には睡眠が不可欠です。夜更かしや睡眠不足を避け、規則正しい生活リズムを保つことが重要です。

 

 

6. 定期的な視力チェックの習慣化

学校の健康診断だけに頼らず、自宅や眼科での定期的な視力検査を行い、早期発見・早期対応を心がけましょう。


おわりに

子どもの視力低下は、現代社会における生活スタイルの変化と深く関係しています。しかし、日常のちょっとした工夫や意識の持ち方で、目の健康を守ることは可能です。家庭・学校・社会が一体となり、子どもたちが生涯を通じて良好な視力を維持できるような環境づくりが今、求められています。

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