幼児期から始める食育  身近な体験から「食べること」への興味を育てよう

大阪体操クラブ高槻体操クラブスポーツ学園 コラム

幼児期は、心も身体も大きく成長する大切な時期です。この時期の子どもにとって「食べること」は、ただお腹を満たすだけではありません。食材に興味を持つこと、食べ物がどのように育つのかを知ること、友だちや先生、家族と一緒に食事を楽しむことなど、毎日の中にたくさんの学びがあります。こうした食に関する経験を通して、子どもの「食べる力」を育てていくことが食育です。

幼児期の食育で大切なのは、難しい知識を教え込むことではなく、子どもが実際に見て、触れて、感じる体験を増やすことです。たとえば、家庭で一緒にスーパーへ行くことも立派な食育になります。野菜売り場に並んでいる人参、トマト、きゅうり、じゃがいもなどを見ながら、「これは何色かな?」「どんな形をしているかな?」「土の中で育つ野菜かな?」と話しかけるだけでも、子どもにとって食材がぐっと身近になります。

 

また、季節ごとに並ぶ食材に触れることも大切です。春には春キャベツ、夏にはトマトやとうもろこし、秋にはさつまいも、冬には大根や白菜など、食材にはそれぞれおいしい時期があります。「秋になるとさつまいもが出てくるね」「寒い季節はお鍋の野菜が増えるね」といった会話を通して、子どもは食べ物と季節のつながりを自然に感じられるようになります。

園でも、子どもたちが食べ物をより身近に感じられるよう、毎年みかん狩りやおいも掘りなどの行事を行っています。みかん狩りでは、木になっているみかんを自分の手で見つけ、選び、収穫します。普段スーパーで見ているみかんも、木に実っている様子を見ることで、「こんなふうにできるんだ」と新しい発見につながります。自分で取ったみかんを味わう経験は、子どもたちにとって特別な思い出になります。

 

おいも掘りでは、土の中に隠れているさつまいもを一生懸命探します。手で土に触れ、つるを引っぱり、大きなさつまいもが出てきた時の喜びは、実際に体験してこそ感じられるものです。「こんなに大きいおいもが出てきた!」「土の中にあったんだ!」という驚きや感動は、食べ物への興味を育てる大切なきっかけになります。自分で掘ったさつまいもは、苦手意識のある子どもでも「食べてみたい」と思いやすくなります。

 

こうした体験は、好き嫌いへの関わりにもつながります。苦手な食べ物を無理に食べさせるのではなく、まずは見てみる、触れてみる、においを感じてみることが大切です。食材に親しむ経験を重ねることで、「少し食べてみようかな」という気持ちが生まれることがあります。食べることだけを目的にするのではなく、食材と出会う過程そのものを大切にすることが、幼児期の食育ではとても重要です。

家庭でも、簡単なお手伝いを通して食育を取り入れることができます。レタスをちぎる、ミニトマトのヘタを取る、じゃがいもを洗う、食器を並べるなど、幼児でもできることはたくさんあります。自分が少しでも関わった料理は、子どもにとって特別なものになります。「これ、ぼくが洗ったお野菜だね」「私が並べたお皿だね」と感じることで、食事への関心も高まります。

食育というと、栄養バランスやマナーを教えることをイメージしがちですが、幼児期にまず大切なのは「食べることは楽しい」と感じることです。食材を知る、育つ様子を見る、収穫する、作る、食べるという経験を重ねることで、子どもたちは食べ物をより身近に感じられるようになります。

毎日の食事、スーパーでの買い物、家庭でのお手伝い、園でのみかん狩りやおいも掘りなど、子どもの周りには食育の機会がたくさんあります。さまざまな体験を通して、子どもたちが「食べてみたい」「やってみたい」と思えるように、これからも楽しく食育に取り組んでいきたいと思います。

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